カナダ留学生のビザに関する新ルールについて|エンジョイカナダ
2024年1月22日に、留学生にとって大変重要なビザに関する新ルールの適用がカナダ政府より発表されました。変更内容の詳細や適用時期については少しずつ情報解禁されているので、「どの情報が正しいのか分からない」「自分は関係あるのかな?」などと困惑されている方や疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
今回は、そんな皆さんのために、ビザに関わる新ルールの内容について、順を追って詳細を説明していきます。
これから留学を検討されている方や、現在留学中で今後のビザについて悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください!
ビザに関する新ルール適用の背景
まず初めに、なぜ今回、カナダ留学生のビザに関する新ルールが発表されたかを説明します。
カナダは数年前から、かなり多くの留学生を受け入れています。それによりカナダ国内の人口が爆増し、インフラの整備が間に合っていない状態になっているのです。「インフラの整備が間に合っていない」とは具体的に、住居の数が足りていないことが一つ挙げられます。既にカナダに住んでいる方はお気づきかと思いますが、ここ数年で急激に家賃が高騰してきていますよね。これは住居欲している人が多くいるため、家賃を上げても契約したい人が多いことによるものなのです。つまり、住居の供給に対する需要が上回っているため、家賃が高騰しているのです。
その他にも物価の上昇、ガソリン価格の高騰など、カナダ国内の人が増えることでインフラの供給が間に合わなくなってきていることから、カナダの新規入国者の数を減らす動きが出てきている、ということなのです。
実際に、2024年に見込まれる学生ビザの発行数は約36万件で、これは2023年度から比較すると、35%の減少となります。(ただし修士課程、博士課程、小学生、中学生、高校生の留学生に対する学生ビザの発給数には制限なし)
ビザの新ルールの内容
では早速、具体的にどのようなルールの変更があったのかを、順を追って説明いたします。
どのような人が対象なのかも合わせて説明します。
学生ビザの新ルール
学生ビザの発行数が減る
上記で説明した通り、2024年の学生ビザの発行数は2023年度比較で、35%減少します。
ただし、修士課程、博士課程、小学生、中学生、高校生の留学生に対する学生ビザの発給数にはこのような制限を設けず、この上限数には含まれません。
また、現在既に学生ビザを持っている方、学生ビザ延長申請をする方にも影響がないルールになります。
これにより、カナダがどのような人材を欲しているのかが分かりやすくなりましたね。
学生ビザの申請にPALが必要な場合がある
これまで学生ビザを申請するためには、学校(語学学校、カレッジ、大学、大学院)からの入学許可証(LOA)が必要でしたが、これに追加で、留学予定の州または準州からの証明書(PAL)を提出することが新ルールとして追加されました。
ただしこちらも、修士課程、博士課程、小学生、中学生、高校生の留学生については、今後もPALは必要ありません。また現在既に学生ビザや就労ビザを持っている方、学生ビザ延長申請をする方にも影響はありません。
バンクーバーのあるBC州では、PALの発行が3/4から開始されています。
BC州全体では83,000件のPALが割り当てられています。比率は公立の学校が53%、私立の学校が47%です。
またトロントのあるON州では、96%が公立カレッジ・大学、4%が語学学校、私立大学へ割り当てられることが発表されています。私立の専門学校には割り当てられないので注意が必要です。需要の高い業界のプログラムへ優先的に配分されるそうです。
今後、新しく開校するカレッジには留学生は入学できない
1月29日のCBCニュースによると、バンクーバーのあるBC州では今後2年間、「新しく開校するカレッジには、留学生は入学できない」ことになりました。
BC州は留学生の教育について「質の低い教育」「指導者の不足」を問題視しているため、教育の質を向上させることと指導者のレベルアップを目指すことを目的に、このような施策が実施されることになりました。
また更には教育の質を向上させるために、私立カレッジに最低限必要な語学力を入学要件に設定することも発表しています。
大学院プログラム卒業で3年間のポスグラビザを取得できる
修士号および大学院レベルのプログラム修了者には、学習期間に関わらず、 3 年間のポスグラ(PGWP)ビザ の申請資格が与えられます。
※BC州においては、多くの大学にて大学院レベルのプログラムの提供がございません。
これまでのルールでは、就学期間によってポスグラビザ(就労ビザ)の期間が決まっていたので、この期間が短く、永住権申請に必要な就労経験年数を積むことができなかった方が多くいました。ですがこの新ルールの適用により、永住権申請の可能性が高まることになります。
修士課程を卒業する方は、カナダでの労働市場での成功や、永住権へも繋がりやすい人材であると期待されているため、このようなルール適用が発表されました。
この新ルールは、2024年2月15日以降に適用されます。
PPPプログラムはポスグラビザの申請対象から除外
PPPプログラムとは、Public-Private Partnership の略で、私立カレッジキャンパスで公立カレッジのプログラムが受講出来る制度を指します。
2024年9月1日以降、PPPプログラムで私立カレッジに留学した卒業生は、ポスグラビザの申請資格は得られません。
配偶者オープン就労ビザの対象者が限定される
これまでは配偶者にはオープン就労ビザの申請が可能でしたが、2024年3月19日より、申請可能な対象者が限定されます。カレッジや大学の留学生の配偶者はオープン就労ビザの申請ができなくなり、修士課程、博士課程など大学院の留学生の配偶者・パートナーのみに限られます。
最後に
今回は、2024年1月22日に発表されたビザに関する新ルールについて内容の詳細や対象者、適用開始時期などについて説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
ビザに関するルールの変更は、カナダ政府などにより頻繁に発表されるので、常に最新情報をキャッチアップすることが重要です。
エンジョイカナダには、カナダ政府公認ビザコンサルタント (RCIC) が常勤していますので、ビザに関するご質問があれば、下記よりお気軽にお問い合わせください。